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Last updated: 2005.10.29 

京都議定書目標達成計画

京都議定書目標達成計画(案)に対するパブコメが締め切られました.わたしはできるだけ,裏口ではなく,正面からこの手のパブコメは出すようにしています(どの程度反映されるかは疑問ですけどね).

さて,地球温暖化対策推進大綱が名前を変えた今回の計画(案)ですが,どのような印象でしょうか?

過去,2回の大綱において,数字あわせがいかに「はずれて」きたか?という点に関する反省がまるでないような気がします.「できる」,「できる」...と言い続けてきた「絵に描いた餅」は,いまだに「絵」の状態で,誰が尻ぬぐいをするのだろう...と思ってしまいます.

わたしは,企業の方々が,この計画(案)から(好き嫌いにかかわらず)政府からの「明確なメッセージ」を受け取り,自信を持って温暖化対策を進めていくことができる,という印象は,残念ながら感じられませんでした.将来の制度がどうなるか不確定な中で,企業はどのように動いてよいか(2008年まで3年しかないこの場になっても)戸惑っていると思います.これによる機会損失は莫大でしょう.

そのような制度面の不確定性をひとつ考えてみましょう.

これは,現状の規制らしい規制がない中で,率先して追加的に対策を採ったら,将来どうなるか?が見えてこないことです.将来排出権取引制度のような規制が入るとすると,何らかの「基準年」をベースとした目標が設定されることが予見されますが,そのとき,基準年の排出量は多ければ多いほどあとで楽になります.また,将来の「減らしシロ」を確保するという意味でも,現在は対策は控えておこう...と,判断する企業が出てきたらどうするのでしょう?

この懸念や問題に対処するためには,「将来,どのような制度が導入された場合でも,それまでに強化した対策はその中できちんと評価する用意がある.ただそのためには,そのことを主張できる正確なエビデンスを残しておいて欲しい...」というような方針が明確化されるだけで,企業は懸念なく,いまから対策強化を行うことができるはずです.(将来制度が何も決まっていないため?)それすら難しいということでしょうか?

さらにその背景にあるのは,この「目標達成計画」からは,将来,どうしたいか?という「ビジョン」が見えてこない...という点があります.まず,それを明確化して,次いでそのビジョンを実現化するための制度や対策をデザインすべきではないでしょうか.

そのためには,

といった「政策プロセス」の導入を行った方がいいでしょうね.

ちなみに,それではおまえは日本の国内制度に関してどんな「ビジョン」を持っているのか?という点に関しては,以下のようなものを考えています.

日本企業が,温暖化問題を「新たなビジネス環境の変化」のひとつと捉え,自らの高い技術力をベースに,自由な発想の下,国内外で新たなビジネス展開・拡大することを促進する制度

より具体的には...

といったものです.なお,このビジョンを実現するために,望ましいと考えられる国内政策措置に関する提案も行っています:

http://www.climate-experts.info/New_Publications.html

やや古いですが,制度論を構築し,かなり詳細に詰めた提案となっていますので,ご参考になさって下さい.

みなさんも,制度の具体的中身の前に,「ビジョン」を考えてみられたらいかがでしょうか?

[この文章は,ナットソースジャパンレター 2005年5月号に寄稿したものに,少し変更を加えたものです]



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